家族を次々と亡くし、新作オペラが不評に終わって、暗い時期にあったヴェルディですが、1842年、転機が訪れます。旧約聖書に取材した壮大なオペラ『ナブッコ』が初演され、決定的な成功を収めたのです。その際、アビガイッレ役を歌ったのが、ソプラノ歌手で、後に正式なヴェルディの妻となるジュゼッピーナ・ストレッポーニでした。二人はこの時期に急接近し、恋愛関係に入ったとみられています。
『ナブッコ』に続く『第一次十字軍のロンバルディア人』も大成功。一気に売れっ子作曲家へと上り詰めたヴェルディは、休む間もなく作曲活動にいそしみました。
47年に『群盗』の初演がロンドンで行われることになり、その途中、ヴェルディはパリでストレッポーニに再会します。彼女は歌手を引退し、パリで声楽教師をしていました。ロンドンからふたたびパリに戻ったヴェルディは、そのうちストレッポーニと同棲を始め、そのまま2年ほどパリに滞在することになります。

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