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2015.04.15

ヴェルディのオペラ『ラ・トラヴィアータ』へ

デュマ・フィスの『椿姫』は1848年に小説として発表され、翌年に作家自身の手で戯曲化されました。しばらくは、内容が不道徳だという理由で許可が下りず上演ができませんでしたが、52年にパリのヴォードヴィル座で初演され、大好評を博します。その公演をジュゼッペ・ヴェルディも観て、たいへん感銘を受けたと言われています(ただし、ヴェルディが実際にこの初演を観たのかどうか、確固たる証拠はないようですが)。
その頃、ヴェルディはジュゼッピーナ・ストレッポーニというソプラノ歌手とパリで同棲をしていました。彼女は、過去に3人の私生児を儲けており、パトロンを持つ生活も送っていたことから、ヴェルディにとっては戯曲『椿姫』の主人公・高級娼婦マルグリットと重なるところがあったのかもしれません。強い信仰心を持っていたというヴェルディが、このような作品をオペラの題材に選んだのは、彼女の存在が大きかったのだと言われます。
ヴェルディは短期間でオペラ『ラ・トラヴィアータ』を書き上げ、このオペラは1853年3月6日にフェニーチェ歌劇場で初演されます。が、失敗に終わったという説がよく知られています。その原因は、ヴィオレッタ役の歌手が太っていたからとか、検閲局の圧力により無理に変えさせられた時代設定が不自然だったとか、物語の設定がヴェネツィア市民には理解され難かったとか、諸説がありますし、実際には、失敗だったのか否か自体、定かではありません。しかし、いずれにせよ翌年に同じヴェネツィアのサン・ベネット劇場で上演され、大成功。以降はイタリアの他の都市、さらにヨーロッパ諸国でも上演されるようになりました。

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