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2026.06.23

関連企画≪「カルメン」ワンコイン・プレ・レクチャー≫を開催しました!

関連企画≪「カルメン」ワンコイン・プレ・レクチャー≫を開催しました!

500円で気軽に楽しくオペラの予習ができると毎年好評のワンコイン・プレ・レクチャー。今年は、講師に指揮者/新国立劇場オペラ音楽ヘッドコーチとして活躍する城谷正博さん、生演奏にバリトンの伊藤友祐さん、ピアノの岡本佐紀子さんをお迎えし、「世界で最も愛されるオペラ『カルメン』の魅力」と題して開催しました。
お話の内容を一部ご紹介します!

講師の城谷正博さん

 

◎「カルメン」の革新性とは?

夭折のフランス人作曲家ビゼーが作り上げた、世界中で愛されるオペラ「カルメン」。しかしながら、オペラ・コミック座(パリ、フランス)での初演は、大失敗。自由奔放で、世の男たちを魅了する“魔性の女”というイメージをもつヒロイン・カルメン、タバコ工場や密輸団といった物騒な存在が出てくる場面設定、ハッピーエンドではない物語は、観客を戸惑わせてしまったのです。
その後、弟子ギローによる補作版がウィーンで上演され、「カルメン」は生々しくも“生”を描いた物語だとして徐々に人々に受容されていきます。あまりに革新的だった物語がようやく受け入れられ、人々が「カルメン」の魅力に気が付いたのです─「その魅力とは、まさに音楽」と城谷さんは語ります。

◎「カルメン」の人気の秘密─魅力的な音楽

実はビゼーは、スペインに行ったことがなかったのだそう。パリに生きるビゼーは、スペインをイメージして「カルメン」を作曲しました。
ビゼーは、人々を誘惑する音として効果的に半音階を多用するなど、スペインの民俗音楽で奏でられるメロディを利用して、カルメンの人物像を音楽で描き出しました。奔放なカルメンと一途なミカエラ、純朴なドン・ホセと自信家のエスカミーリョなど、物語の中で対比される人物像も、それぞれの音楽が鮮やかに表現しています。

◎全編を通して繰り返し奏でられる“運命のモティーフ”

そしてもうひとつ、「カルメン」の音楽における大きな要素が、“前奏曲”の最後にあらわれる“運命のモティーフ”です。この印象的なモティーフは、ドラマにおける重要な場面で、形を変えながら何度も繰り返し演奏されます。たとえば、カルメンの登場シーン、ドン・ホセにカルメンが花を投げつけるドラマティックなシーンなど…(なおこのとき、カルメンがドン・ホセに投げつけるのは、一般にイメージされるバラではなく、アカシアの花と台本には書かれています。「今回の芸術文化センターでの演出は、いったい何を投げるのか─当日をお楽しみに」と城谷さん)。
そして“運命のモティーフ”は、物語のラストシーンでも鳴り響きます。カルメンの運命を予感させるモティーフは、作品の全編を貫き、一本の縦糸のように効果的に用いられているのです。

“闘牛士の歌”を歌い上げる伊藤友祐さん。
ピアノは岡本佐紀子さん。

 

◎プレ・レクチャーのお楽しみ♪生演奏

今回は、神戸市出身のバリトン歌手である伊藤友祐さんが、第2幕でエスカミーリョが歌う“闘牛士の歌”を聴かせてくださいました。伊藤さんは「エスカミーリョは常に自信にあふれ、余裕のある役どころ。ゆとりをもって歌唱するよう意識している」と語られました。
ちなみに伊藤さんが声楽家を志したきっかけは「初めて観たオペラで、オーケストラとともに聴く生の声に圧倒されたから」なのだそう。本公演では、圧巻の生の歌声をご披露くださいました。

◎「カルメン」が後世に与えた影響

衝撃的な悲劇を迎える「カルメン」のラストシーン。己の運命に向き合うカルメンの最期と対比させるように、エスカミーリョの勝利を祝う闘牛場の内部の様子が音楽で描かれます。この劇的なコントラストは、ビゼーの作曲手法が生んだ素晴らしい効果を作品にもたらしています。

「カルメン」は、のちにヴェリズモ・オペラが人気を博すことになるその契機となったとも言われます。同時期・他国では、かのリヒャルト・シュトラウスがビゼーの作品に触発されて作曲したとも言われており、今日にいたるまで、「カルメン」は音楽の歴史に多くの影響を与えました。

7月は、ぜひ劇場で感動のオペラ体験を!

 

オペラは総合芸術と言われています。衣裳や舞台セットが気になった、演劇的な要素に惹かれたなど、鑑賞のきっかけもきっとさまざまでしょう。CDで音楽を楽しむ、DVDで衣裳や演技を楽しむといった鑑賞方法もありますが、「劇場で体感いただくのが一番」と城谷さんは語ります。
魅力の詰まった名作オペラ「カルメン」。7月の本公演がますます楽しみになった90分でした。

 

佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ2026 「カルメン」
2026年7月17日(金)~26日(日) 全8公演 各日2:00PM
兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
公演の詳細はこちらから

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