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2026.07.19

「カルメン」オペラ創造ワークショップを開催しました

「カルメン」オペラ創造ワークショップを開催しました

ただいま大好評上演中の佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ「カルメン」。
開幕前日に開催した「オペラ創造ワークショップ」の様子をご紹介します。
今回は、演出のロレンツォ・マリアーニさん、佐渡裕芸術監督、そして進行役としてプロデューサーの小栗哲家さんが登壇しました。

◎舞台の鍵を握る「赤い砂漠」

演出のマリアーニさんは、今回の演出の象徴である「赤い砂漠」の意図について次のように語ります。
「素晴らしいオペラとは、メタファー(比喩)を用いて作品本来のメッセージを伝えるものだと考えています。(数世紀前の設定のまま)写実的に上演するだけでは不十分です。
「カルメン」は、いわば生と死の闘いの物語。その熱い戦場のような人生の象徴として“赤い砂漠”を設定しました。
人生は厳しい選択の連続です。自らすべてを選択していくカルメンと、それができないドン・ホセの対比も本作では描かれています。
“砂漠”は永遠に続く人生や果てしない選択の象徴であり、始まりも終わりも分からないミステリアスな場所。登場人物たちも『なぜホセはミカエラと結婚しないのか』『なぜカルメンはホセと結ばれないのか』といったミステリアスな選択をしていきます。
観客の皆さんには本作を通じて選択の重大さを知り、自ら選んだ道でベストな人生を生き、自分を愛することを学んでほしいです」

演出の意図について説明する演出家ロレンツォ・マリアーニさん。通訳は演出助手の飯塚励生さん。

また、砂漠の上に置かれた数脚の椅子にも象徴的な意味が込められています。
「冒頭で民衆が椅子を円形に並べて座るのは、コミュニティの形成を思わせます。第4幕ではこの円形がスペインの闘牛場となりますが、ラストシーンではカルメンとホセがその中で闘い、椅子を倒していく。コミュニティを壊していくのです。」

さらに、今作で印象的な役割を果たすパフォーマーたちについても言及しました。
「彼らは夢の世界を創り出すと同時に、ビゼーの音楽が持つスペインのエキゾティシズムを体現する存在です。彼らを通じて、“赤い砂漠”が象徴する世界観がより鮮明に浮き彫りになります。」

佐渡裕芸術監督がサイドカーに乗って登場!

◎佐渡裕芸術監督、17年ぶりの「カルメン」への想い
続いて、佐渡裕芸術監督が劇中で使用されるサイドカーに乗って華やかに登場。当センターで17年ぶりに取り上げる「カルメン」への熱い想いを語りました。
「前回上演した2009年は、2005年の開館からまだ日が浅く、毎年手探りの状態でした。しかし17年が経った今、キャストやスタッフの素晴らしいチームができあがっていますし、人材集めが大変なプロデュースオペラ合唱団も、合唱指揮の矢澤定明さんのリードにより、非常に良い合唱団になり、毎年高いレベルの作品を上演できています。
今回の出演者、オーケストラ、スタッフは総勢約250名。これほどの規模の挑戦を、ここ西宮で上演できていることは非常にセンセーショナルですし、誇りに思っています。」

「本作は音楽がキャッチーでありながら、非常にバランスの取れた作品です。メゾソプラノのカルメン、テノールのホセ、ソプラノのミカエラ、バリトンのエスカミーリョと、主要な声部を網羅しているだけでなく、キャラクターの配置や関係性も絶妙です。音楽的にも多彩な見せ場が用意されています」

◎2人のカルメン、それぞれの魅力
お客様からの質問コーナーでは、ダブルキャストとなる2人のカルメンの違いについて、佐渡芸術監督が笑顔で答えました。
「エカテリーナ・セメンチュクさんは、豊かな経験に裏打ちされた強い声を持ち、カルメンという役を知り尽くしています。一方の高野百合絵さんは、非常に勉強熱心で初々しい魅力に溢れています。歌い方が全く異なるため、まるで2つの違うオペラを指揮しているような感覚です(笑)」

「カルメン」の音楽について解説する佐渡芸術監督と進行役の小栗哲家さん

◎歌のプレゼントコーナー
本プロダクションでカルメン役、ドン・ホセ役、そしてミカエラ役のカヴァー(練習や公演の代役)をつとめている山際きみ佳さん、水口健次さん、梨谷桃子さんが歌唱を披露しました(ピアノ伴奏は音楽コーチの森島英子さん)。

“手紙の二重唱”を歌う水口健次さん、梨谷桃子さん

ラストシーンの二重唱を歌う山際きみ佳さん、水口健次さん

そのあと恒例の抽選会が行われ、続けてバックステージツアーを開催! 参加者の皆さんは楽屋エリアを見学したあとステージへ上がり、舞台セットや衣裳を間近で見たり、傾斜のある舞台を歩いて「カルメン」の世界を感じていました。

バックステージツアーの様子

2回の公開リハーサルとワークショップを合わせて約10,000名もの応募の中から、約1700名の方にご参加いただきました。多数のご応募ありがとうございました。
そして、上演中の「カルメン」をどうぞお楽しみください!

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