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2025.04.24

関連企画≪「さまよえるオランダ人」ハイライトコンサート~ええとこどり!≫西宮公演レポート!

関連企画≪「さまよえるオランダ人」ハイライトコンサート~ええとこどり!≫西宮公演レポート!


「さまよえるオランダ人」の“ええとこ”を凝縮してお届けするハイライトコンサート。 2日間満員御礼!の西宮公演(4月16日&17日、兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール)の模様をお伝えします!

オペラ史に輝く大作曲家ワーグナーの出世作「さまよえるオランダ人」。18世紀の英国で流布した“海をさまよい続けるオランダ人の幽霊船”の伝承を基に、愛による救済を描く、数々のワーグナー作品の原点ともいえる作品です。

今年の「ええとこどり」公演も、“ネイティブな関西弁”のトークでおなじみ、伊原敏行さん(ピアノ&お話)による楽しく分かりやすい解説で開幕しました。軽妙な進行に、客席からは思わず笑い声が。ダイナミックな荒波が目に浮かぶような「序曲」ピアノ演奏とのギャップで、会場の緊張もいい具合にほぐれます。

客席を大いに盛り上げてくれた伊原敏行さん(写真右)。今年は、西尾麻貴さん(同左、ピアノ)の演奏もたっぷりとお聴きいただきました

さあ、とあるノルウェーの海岸では、悪天候で進路変更を余儀なくされた貿易船の舵手(清原邦仁さん)が休んでいるようです。彼のひと声で、会場は一気に海辺の雰囲気に!伊原さんに名前を尋ねられ、「名はない」と答える舵手。「ええとこどり」公演ならではの珍妙なやりとりをするふたりに、客席からは絶えず笑い声が聞こえました。
そんな彼らの向こうには、黒いマストに真っ赤な帆を張った不気味な幽霊船がとまっています。その船の持ち主こそが、さまよえるオランダ人(湯浅貴斗さん)。かつて、神に対して不遜な言葉を口にした彼は、救いを求めて永遠に航海しなければならないという呪いを受けていました。7年に一度しか上陸を赦されないという不幸な境遇を歌うオランダ人。凄みのある歌声に、彼の苦悩がぎゅっと詰まっているようです……。伊原さんと舵手だけでなく、貿易船の船長、ダーラント(的場正剛さん)も、その様子に興味津々。

第1幕「おい、船乗りよ!名を名乗れ!」より。「財宝が何になるのか」と嘆くオランダ人に対し、ダーラントと舵手は、目の前のお宝に夢中……

ところかわって第2幕。ダーラントの故郷で、彼の愛娘であるゼンタ(渡邉美智子さん)は、今日も大好きな伝説・さまよえるオランダ人のことを考えて仕事が手につかないようです。“推し”であるオランダ人を想う歌声が、会場を圧倒!
さて、ゼンタには、エリック(加護翔大さん)という婚約者がいるのですが、最近は彼との仲もうまくいっていないのだとか。エリックは、自分が婿として認めてもらえないのではと、ゼンタに不安を吐露します。

第2幕「待ってくれ、ゼンタ!」より。エリックの悲壮な訴えは、果たしてゼンタに届くのか……

続く第3幕。冒頭の聴きどころ、陽気なメロディの「水夫の合唱」は、客席のみなさまと一緒に歌うコーナーもありました。オペラとポップスの歌唱方法の違いとは?歌声を響かせるコツって?など、知っているとオペラがぐっと面白くなる仕掛けが随所にちりばめられているのが、このコンサートの“ええとこ”です。
そのほかにも、ドイツ音楽史を紐解くコーナーや、ワーグナー・オペラの聖地「バイロイト祝祭劇場」についての解説も。「さまよえるオランダ人」本公演の予習になりますね。

みなさまと歌う「水夫の合唱」は、舵手役、そして構成・ステージングも務める清原邦仁さんが、楽しく、優しく教えてくれます

そんな中、ダーラントが、あのオランダ人とともに帰ってきました。豊かな財宝を持つオランダ人を「理想の婿」だと考えたダーラントは、娘・ゼンタとオランダ人を引き合わせます。憧れの伝説を目の当たりにしたゼンタは、もう、すっかり夢見心地。
当然、黙っていられないのはエリックです。自分たちの関係を思い出してほしいとゼンタに訴えますが、ゼンタは聴く耳持たず。その切々たる歌声に、思わず胸が痛くなります……。
そして、タイミング悪く、そんなふたりのやりとりを目撃してしまったのが憐れなオランダ人。ゼンタには自分の他に愛する男がいると勘違いしたオランダ人は、呪われた幽霊船の船長であると正体を告げ、身を引こうとその場を去ってしまいます!
オランダ人に必死に追いすがるゼンタ。そして、彼女を制止するエリック。錨を上げ、幽霊船は動き出してしまいます。果たして、彼らの運命は──⁈
オペラの入門編としてもぴったり。芸術文化センターの毎春の風物詩が、大好評のうちに2日間を終えました。

第3幕のフィナーレより。愛を手にすることができなかったと悲壮に歌うオランダ人。この後、ゼンタがとった衝撃の行動とは──!

「さまよえるオランダ人」ハイライトコンサート~ええとこどり!

4/16(水)・17(木) 各日3:00PM
[ドイツ語上演・日本語字幕付/約1時間40分・休憩あり]
会場:兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
>チラシを見る

出演
渡邉美智子(ソプラノ)
湯浅貴斗(バス・バリトン)
的場正剛(バリトン)
加護翔大(テノール)
清原邦仁(テノール/構成・ステージング)
伊原敏行(ピアノ&お話)
西尾麻貴(ピアノ)

とってもお得で、オペラ入門編としてぴったりのハイライトコンサート~“ええとこどり”、この後は兵庫県内の各ホールツアーがございます!
お近くの方は是非、遠方の方も春のお出かけがてら、お越しください♪

【ええとこどり県内ツアー♪】

県内9会場で開催。詳しくは各会場へお問い合わせください。
※芸術文化センターでは県内ツアーのチケットお取り扱いはございません。
※チケット料金は会場により異なります。

開演時間はすべて3:00PM
◆丹波篠山公演 4/19(土)
丹波篠山市立田園交響ホール
TEL:079-552-3600
◆洲本公演 4/20(日)
洲本市文化体育館 文化ホール しばえもん座
TEL:0799-25-3321
◆赤穂公演 4/26(土)
赤穂市文化会館 小ホール
TEL:0791-43-5144
◆市川公演 4/27(日)
市川町文化センター ひまわりホール
TEL:0790-26-0969
◆三田公演 4/29(火・祝)
三田市総合文化センター 郷の音ホール 小ホール
TEL:079-559-8101
◆西神中央公演 5/5(月・祝)
西神中央ホール
TEL:078-995-5638
◆稲美公演 5/6(火・祝)
稲美町立文化会館 コスモホール
TEL:079-492-7700
◆養父公演 5/10(土)
養父市立やぶ市民交流広場 ホール
TEL:079-662-0070
◆明石公演 5/11(日)
アワーズホール・明石市立市民会館 大ホール
TEL:078-912-1234

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