News最新情報
2025.07.23
「オペラ創造ワークショップ」を開催しました

ただいま大好評上演中、佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ2025 歌劇「さまよえるオランダ人」。開幕前日に開催した「オペラ創造ワークショップ」の様子をご紹介します。
今回登壇したのは、進行役としてプロデューサーの小栗哲家さん、演出のミヒャエル・テンメさん、装置・衣裳デザイナーのフリードリヒ・デパルムさん、照明デザイナーのミヒャエル・グルントナーさん、そして佐渡裕芸術監督。さらに演出補の飯塚励生さん、演出助手の森川太郎さん、舞台制作にも深く関わる通訳の高島勲さんも加わり、「さまよえるオランダ人」についてのトークが繰り広げられました。
左からミヒャエル・テンメさん、森川太郎さん、フリードリヒ・デパルムさん、高島勲さん、ミヒャエル・グルントナーさん
上の写真からもわかるように、今回のステージは全体に傾斜が付けられており、その傾きは約9%(1m奥に進むと9cm高くなる)。傾斜があることで舞台の奥が観客席から見やすくなるうえ、歌手の声が客席によく届くとのこと。イタリアの劇場はこのような傾きがあるのが一般的なのだそうです。
シンプルなデザインの商館(左)や教会(右)。中央の大きな窓の向こうに見えるのはオランダ船
舞台セットはシンプルなデザイン。特定の時代をあらわしているのではなく、現実的ではない空間です。歌手たちの衣裳もさまざま時代のテイストがミックスされています。修道女として表現される乳母マリーは厳しさ(社会の枠組みや権威)を、ゼンタの父は金銭への執着(現世的な成功)を衣裳で表現。「この作品はおとぎ話。衣裳が表現するのは時代ではなく、登場人物たちのキャラクター」との説明がありました。
「さまよえるオランダ人」の音楽について解説する佐渡芸術監督
音楽についての解説は佐渡裕芸術監督から。「オランダ人のテーマ」「救済のテーマ」「ゼンタのテーマ」…と、各テーマの特徴を小埜寺美樹さんのピアノ演奏を交えつつ説明、聴きどころが紹介されました。また今回は40名を超える男声合唱が出演します。関西一円から実力のあるメンバーが集結し、素晴らしい合唱に仕上がっているということです!
湯浅貴斗さん(左)、梨谷桃子さん(右)
最後に、今回のプロダクションでオランダ人とゼンタのカヴァー(練習や公演の代役)をつとめている湯浅貴斗さん、梨谷桃子さんが「ゼンタとオランダ人の二重唱」の一部を披露しました(ピアノ伴奏は小埜寺美樹さん)。
そのあと恒例の抽選会が行われ、続けてバックステージツアーを開催! 参加者の皆さんは楽屋エリアを見学したあとステージへ上がり、舞台セットを間近で見たり、傾斜のある舞台を歩いて「さまよえるオランダ人」の世界を感じていました。
2回の公開リハーサルとワークショップを合わせて約8000名もの応募の中から、約1700名の方にご参加いただきました。多数のご応募ありがとうございました。今回参加が叶わなかった方も、来年以降の関連企画をお楽しみに。
そして上演中の「さまよえるオランダ人」をどうぞお楽しみください!