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2023.06.08

「ドン・ジョヴァンニ」レポレッロ役 平野 和 スペシャル・インタビュー

「ドン・ジョヴァンニ」レポレッロ役 平野 和 スペシャル・インタビュー

長年にわたりウィーン・フォルクスオーパーに所属して活躍されてきたバス・バリトンの平野和(やすし)さん。
昨年のプロデュースオペラ「ラ・ボエーム」では、コッリーネ役を好演しました。今回はドン・ジョヴァンニの従者レポレッロ役。3月、フォルクスオーパーでのリハーサルの合間にお話をうかがいました!

ウィーンに来られて何年になりますか?

日本大学芸術学部音楽学科を卒業して、23歳の時からなので、ちょうど今年で人生の半分をウィーンで過ごしていることになりますね。海外に行きたいとはずっと思っていたのですが、ウィーンに来たのは、ウィーン在住の先生に個人的にレッスンをしてもらったのがきっかけです。私の声種である「バス」は、他の声種より声が育つのに時間がかかりますし、じっくりと時間をかけて勉強できたのは本当にラッキーでした。

−ウィーンに住んでいて、良かったと思うことはありますか?

やはり歴史を肌で感じながら生活できることでしょうか。劇場もそうですが、昔から営業しているお店やレストランも沢山あります。しかし、ウィーンの街もこの数年でかなり変化してきています。多国籍の方が生活していますし、中心地の物価も上がっています。伝統的なカフェ文化のあるウィーンにスターバックスもオープンしました。

−海外と日本の劇場で違いはありますか?

一昨年まで専属歌手として所属していたフォルクスオーパーは伝統的な劇場で、つい最近まですべての作品をドイツ語に翻訳して上演していました。オペレッタのメッカとして知られていて、地元の人に愛されている劇場ですね。公演回数も多いので、その中で沢山の経験を積むことができました。
日本の劇場というか、日本のお客様の方が海外のお客様より研究熱心な方が多いかもしれません。私でも知らない情報を教えてくれるのでビックリします。

−昨年初めてプロデュースオペラに参加されました。

まずは装置、衣裳などプロダクション全体がゴージャスなのに、チケット代金がとても安いことに驚きました。そのためか、お客様も様々な層がいらしており、反応がとても身近で温かかったです。これは今まで他の劇場では味わったことのない経験でした。沢山のお客様の前で演奏できる事は、歌手冥利につきますね。

2022年「ラ・ボエーム」より(写真左が平野さん)

 

−今回の「ドン・ジョヴァンニ」、レポレッロ役について、どのようなイメージがありますか?

すでに何度も演じていますが、自分に合っている役だと思います。私は血液型がA型なんですが、昔、プロ野球の落合監督が「A型の人間には4番は打たせられない」と言っていたんです。ドン・ジョヴァンニという役はある意味モンスターで破天荒、4番打者タイプ。A型って物事をきっちりやりたいタイプなので、ドン・ジョヴァンニを憧れの眼差しで見つめながら、どこかで超えていきたいと思っているレポレッロを演じられればと思っています。

−共演者についてはいかがでしょうか?

実は、大西宇宙さんとは出身中学校が一緒なんです!学年は違うんですが、同じ通学路を歩いていた2人がコンビを組むのは、何か運命を感じますね。彼はとても華やかな雰囲気があるし、普段もオシャレだし、ドン・ジョヴァンニにピッタリだと思います。その他にも、舞台上で様々な駆け引きができる共演者が揃っていますし、実際に舞台上では共演しませんが、超一流の海外キャストがどの様なエネルギーを発散するのか凄く楽しみで、刺激を受けたいと思っています。

−お客様に向けて、ひとことお願いします。

抜群のチームワークでエキサイティングな舞台ができればと思っています。同じメンバーでも、公演日によって違う公演になるかもしれないので、是非たくさんの公演に来ていただきたいです。皆様にお会いできるのを楽しみにしています。

ウィーン・フォルクスオーパーのロビーにて

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