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2023.08.12
「ドン・ジョヴァンニ」メディア掲載情報
佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ2023「ドン・ジョヴァンニ」ではたくさんのご来場をありがとうございました。
各メディアで公演について紹介されておりますので、お知らせいたします。(9月1日現在の情報です。新着がありましたら順次追加いたします。)
■朝日新聞デジタル 7月16日公開(8月3日朝日新聞夕刊紙面にも掲載)
現代まとう新たなモーツァルトが 兵庫芸文の「ドン・ジョヴァンニ」
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■日本経済新聞電子版 8月4日公開(8月4日日本経済新聞夕刊(関西)紙面にも掲載)
佐渡裕指揮「ドン・ジョヴァンニ」 作品の深みに震撼
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■音楽現代9月号 8月12日発売
演奏会評(関西音楽界)ページ
■モーストリー・クラシック10月号 8月19日発売
「オペラの歓び、ここにあり」レビューとインタビュー
■関西音楽新聞 9月号 9月1日発売
オペラ評 稀代の背徳の男の、不条理な魅力に迫る
■オペラ・エクスプレス 9月1日公開
望みうる最高のキャストを揃えて 佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ《ドン・ジョヴァンニ》公演レポート
■ÓPERA ACTUAL(オペラ・アクチュアル、スペイン) 7月23日公開
※スペイン語のサイトです。日本語訳は以下の通りです。
(執筆者・井内美香氏提供)
モーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」が、兵庫県の(神戸市にほど近い)西宮市にある兵庫県立芸術文化センターで上演された。指揮者の佐渡裕氏は、この劇場のオープン当初から芸術監督を務めており、このオペラを指揮しているのも佐渡氏である。
演出はNYのMETで長年活躍したデヴィッド・ニース。兵庫県立芸術文化センターでは、すでに『コジ・ファン・トゥッテ』(2014年)と『フィガロの結婚』(2017年)を手がけている。演出と衣裳はロバート・パージオラ(衣裳はアメリカの1950年代風)。ヴィヴィッドな色彩が高沢立生による照明で引き立ち稀に見る美しさだ。ニースの演出は保守的で細部までよく練られており、ドン・ジョヴァンニの魅力に集中している。
オーケストラは兵庫県立芸術文化センター管弦楽団。佐渡のアプローチは巨匠の趣があり、ゆったりとしたテンポと濃密な響きを持っている。佐渡はこのオペラのシリアスな部分、特にドンナ・アンナとドン・オッターヴィオのアリアのような部分に情熱を注いだ。
このプロダクションには2つのキャストがあり、1つはインターナショナル、もう1つは日本人キャストである。各キャスト4公演。日本人キャストでは、ドン・ジョヴァンニ役でデビューした大西宇宙が最も活躍している。大西は現在、日本で最も注目されている若手の一人で、ニューヨークで学び、アメリカでも度々歌っている。柔らかな声質と舞台での表現力、そして清潔感のある歌い方が持ち味だ。彼のドン・ジョヴァンニは、自分の魅力に自信を持ち、他人への思いやりに欠けるが、憎めない。
第1キャストのドン・ジョヴァンニはジョシュア・ホプキンズで、自信に満ちた歌声で響きも良いが、やや控えめな演技。レポレッロ役のルカ・ピサローニは、卓越した演技と一流の歌唱。ドンナ・アンナは堂々とした歌声のミシェル・ブラッドリー。ドン・オッターヴィオ役のデヴィッド・ポルティーヨは、当時のスタイルに沿った見事な歌唱。ドンナ・エルヴィーラ役のハイディ・ストーバーは、情熱的な歌唱が素晴らしかった。騎士長役のニコライ・エルスベアは、美しい声の若いバスだ。マゼット役の近藤圭は温かみのある声が良く、ツェルリーナ役のアレクサンドラ・オルチクはふくよかな声。
日本人キャストでは、平野和のレポレッロが個性的な声で、役者としてもいい。ドンナ・アンナの高野百合絵は高音が美しく音楽的。ドン・オッターヴィオ役の城宏憲は叙情的な美声。ドンナ・エルヴィーラ役の池田香織はエレガントに歌う。妻屋秀和の騎士長は品格のある美しい歌唱。森雅史はコミカルなマゼット、小林沙羅のツェルリーナは魅惑的な存在感を放っていた。
劇場の合唱団は歌も演技も良かった。広崎うらんの振付はロカビリー・スタイルだった。兵庫の観客はとても温かい拍手をおくっていた。