Enjoy Operaオペラの楽しみ方

「オペラってなに?」

16世紀の終わりごろ、イタリアのフィレンツェで生まれた歌劇、それが“オペラ”です。
この時代、当地で栄華を極めていたメディチ宮廷は多くの芸術家や音楽家、詩人らのパトロンとなっていました。彼らによってギリシャ劇の復興が模索された結果、演劇と音楽が融合した新しい手法による歌劇が生み出されることとなったのです。ちょうど日本では出雲阿国が歌舞伎の基となるかぶき踊りを始めたころ、イタリアでは初めてのオペラが誕生したということになります。

“花の都”と呼ばれるフィレンツェ
“花の都”と呼ばれるフィレンツェ

画期的な舞台芸術は人々の心をつかみ、宮廷ではオペラが大流行。1637年にはヴェネツィアに世界初の商業オペラ劇場、サン・カッシアーノ劇場が誕生し、王侯貴族だけでなく一般市民もオペラを鑑賞することができるようになります。貴族たちはさまざまな趣向をこらして豪華な劇場を次々と建設。人々の暮らしにオペラが根付いていきました。

ヴェネツィア サン・カッシアーノ劇場の復元イメージ図
ヴェネツィア サン・カッシアーノ劇場の
復元イメージ図

イタリアで発祥したオペラは次第に、フランス、ウィーン、ロンドン、ドイツなどに広がり、その上演形式も進化を重ねます。18世紀から19世紀にかけては、オペラを観るために劇場に王侯貴族が集い、ボックス席では観劇だけでなく、食事やデートを楽しんだり、外国の要人を接待したりするなど、社交の場として大きく発展します。
19世紀には市民階級の台頭とともに作曲家たちも次々と新しいスタイルの作品を生み出していきました。

オペラハウスを描いた絵画 Menzel Adolph「オペラ座にて」(1862年)
オペラハウスを描いた絵画
Menzel Adolph「オペラ座にて」(1862年)

オペラや大衆的な音楽劇が発展して19世紀後半に興ったのがオペレッタ、それがアメリカに渡って成立したのがミュージカルとなりますが、ミュージカルとオペラの大きな違いは、心に響くその”生音”にあります。セリフを歌で表現し、旋律に感情をのせ、歌手がマイクを使わず客席の最後列まで生の声を届けるのがオペラの醍醐味。壮大なオーケストラの演奏と、歌手の歌声、そして、舞台美術、衣裳、演出、照明など、様々な芸術が融合する、まさに総合舞台芸術がオペラなのです。

このサイトでは今後、オペラの詳しい歴史や様式、作品紹介や豆知識など、知ればもっとオペラが楽しくなるコンテンツを発信していく予定です。
ご期待ください。

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