News最新情報

2026.07.01

「カルメン」をより楽しむために~作品解説その2

「カルメン」をより楽しむために~作品解説その2

7月17日に開幕を控えたプロデュースオペラ「カルメン」。
公演をより楽しむためには、少し予習をしていただくことがオススメです。
オペラ研究家の岸純信さんによる作品解説を、公演前にぜひお読みください。

■解説その1「◎作品の成立背景」はこちら■

◎登場人物
text by 岸 純信(オペラ研究家)

カルメン(メゾソプラノ):ロマ(流浪の民)の女。男に縛られるよりは自由を選んで死ぬ

ホセ(テノール):仏語ではジョゼ。母親思いの伍長だが、カルメンに心奪われ転落する

エスカミーリョ(バリトン):人気の花形闘牛士。カルメンの新しい恋の相手となる

ミカエラ(ソプラノ):ホセと同郷の娘。彼の母に頼まれ、密輸団のもとに独り乗り込む

フラスキータ(ソプラノ):カルメンの妹分。占いで「将来は金持ちの未亡人」と出て喜ぶ

メルセデス(メゾソプラノ):同じく妹分。占いで「未来の彼氏は百人を従える」と出る

ダンカイロ(テノールまたはバリトン):密輸団の頭。指導力があり一味をスムーズに動かす

レメンダード(テノール):ダンカイロの手下。目端が効き、隠れるミカエラを見つけ出す

スニガ(バス):ホセの上司。カルメンを口説こうとして、ホセと乱闘する

モラレス(バリトン):ホセの同僚の伍長。退屈しのぎにホセを探すミカエラをからかう

◎あらすじ
text by 岸 純信(オペラ研究家)

第1幕

スペインのセビリャ。伍長モラレスと兵士たちが仕事に退屈しながら街を眺めていると、田舎娘のミカエラが幼馴染の伍長ホセを探しに来て、モラレスにからかわれるので逃げ去ります。鐘が鳴り、煙草工場から女工たちが休憩に出てきます。男どもが彼女たちに目を留めながら、カルメンの噂をしていると、現れた当のカルメンは、〈ハバネラ〉を歌って自分の恋愛哲学を演説の如く、でもしなやかに主張。新しい恋の獲物としてホセに目を留め、手にした花を投げつけます。その花を人知れず拾ったホセの前にミカエラが現れ、母親からの便りを彼に手渡します(二重唱〈母の話をしておくれ〉)。しかし、恥ずかしがり屋のミカエラは「あとで来るから」といってその場を走り去ります。

そのうちに、女工たちが喧嘩騒ぎを始め、大乱闘に。兵士たちがなんとか取り押さえ、カルメンが捕まります。彼女は軍人スニガの尋問を鼻唄〈トラ・ラ・ラ〉であしらいながら、ホセを誘惑。蠱惑的な〈セギディーリャ〉を歌って「なんとか逃がして!」と彼に頼みます。彼女の魅力に参ったホセは、連行するふりをしてカルメンを逃亡させてしまいます。

第2幕

カルメンと妹分のフラスキータ、メルセデスが居酒屋に集い、三重唱〈ボヘミアンの唄〉を歌って時間を潰していると、闘牛士エスカミーリョが勢いよく現れ、クープレ〈闘牛士の唄〉を披露して人々を惹きつけ、カルメンに言い寄ります。エスカミーリョが去るとダンカイロとレメンダードが現れ、女たちを密輸の仕事に誘いますがカルメンは「ここを離れられないわ。恋しているから」と拒否。皆は、「しおらしいことをいうものだ」と驚きます(五重唱〈うまい話があるんだ〉)。

そこに、〈アルカラの竜騎兵〉の歌声が聴こえ、出所したホセが登場。カルメンは歌い踊ってもてなすものの、帰営時間のラッパを彼が気にすると激怒。ホセは「君が投げつけた花を、俺は大事に持っていた」と名曲〈花の歌〉で真の愛を訴えます。カルメンは二重唱〈あんたは私に惚れていないよ〉でホセの心情を受け留めつつも、「一番大事なのは自由でいること!」と覚醒。そこにスニガが現れ、ホセと喧嘩になるのでダンカイロたちが取り押さえます。上官を傷つけたホセは、脱走兵として密輸団に仲間入りする羽目に。ならず者たちは「何より素晴らしいのは自由さ!」と大合唱します。

第3幕

密輸団が山道をゆく厳しさを合唱。休憩中にフラスキータとメルセデスがカルタ占いを始めますが、カルメンには「死」を告げる札しか出ません(〈カルタの三重唱〉)。一同は気分を変えて明るいアンサンブル〈税関吏は男前〉を歌いながら再び荷運びを始めますが、皆が居なくなると、ミカエラが出現。ホセを連れ戻したいとエール〈もう恐れはしない〉で神に祈ります。すると、見張り役のホセが発砲。隠れたミカエラと入れ替わりにエスカミーリョが現れます。彼は落ち着いて声をかけますが、恋敵と気づいたホセはナイフを取り出します(〈決闘の二重唱〉)。間一髪でカルメンが割って入ると、エスカミーリョは「皆さんを闘牛場に招待しよう」と申し出て退場。すると、隠れていたミカエラが引きずり出されます。
彼女はホセに「お母様が危篤なの。山を一緒に降りて」と涙ながらに頼み、ホセは、カルメンに「必ず戻ってくるぞ!」と捨て台詞を吐いて退場。遠くからエスカミーリョの歌声がこだまします。

第4幕

セビリャ。闘牛場前に人々が集い、合唱〈2クアルトだよ!〉行進曲&合唱〈やってきた!クアドリーリャだ!〉を続けて歌い、華やかな闘牛士の一行に喜びます。エスカミーリョとカルメンは愛の言葉を交わしますが、フラスキータとメルセデスはカルメンに「ホセに注意して」と忠告。女二人が立ち去ると、ぼろぼろの身なりのホセが登場。二重唱〈あんたね、俺だ〉で復縁を迫ってカルメンに縋りつきます。しかし、カルメンが貰った指輪を投げ捨てるので、激昂したホセは彼女を刺殺。亡骸のうえにくずおれて幕となります。

※本公演の演出とは異なる場合があります

■解説その3「◎《カルメン》の音楽」に続く■

■解説その1「◎作品の成立背景」はこちら■

 

佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ2026 「カルメン」
2026年7月17日(金)~26日(日) 全8公演 各日2:00PM
兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
公演の詳細はこちらから
※チケットは予定枚数を終了しております

pagetop