日本オペラ連盟・兵庫県立芸術文化センター・東京二期会・愛知県文化振興事業団共同制作
佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ2009
歌劇「カルメン」
〈全4幕・フランス語上演(日本語字幕つき)/新制作〉
音楽=G・ビゼー 台本=H・メイヤック、L・アレヴィ(メリメの小説による)
[装 置] ハンス・シャヴェルノホ
[衣 裳] シルヴィ・ド・セゴンザック
[照 明] ファブリス・ケブール
[言語指導] ドゥニーズ・マッセ
[合唱指揮] 矢澤定明
乾いた土、灼熱の太陽が照らすスペイン。歓声と興奮に沸きあがる闘牛場、生命力あふれる女たち、真紅のバラ、官能的なフラメンコのリズム…。
フランスの作曲家ジョルジュ・ビゼーの最高傑作として名高い「カルメン」は、世界一の上演回数を誇るオペラとして世界中で愛されている作品です。エキゾチシズム漂うストーリーと、「前奏曲」から繰り広げられる鮮烈なオーケストレーションは、カルメンの歌う「ハバネラ」、ドン・ホセの「花の歌」、エスカミーリョの「闘牛士の歌」など、数々の名旋律で彩られ、名歌の花々と融合し、ドラマティックに展開します。オペラの醍醐味を味わうには最も適しているといえる「カルメン」。
今回の佐渡裕によるプロデュースオペラ「カルメン」は、1ヶ月で兵庫・東京・愛知を結び、全15回公演という空前のスケールで実現する共同制作。情熱の指揮者・佐渡のタクトが導く、衝撃の瞬間にぜひお立会いください。
豊富な経験と高い表現力を持つ海外勢と、近年の充実めざましい国内勢が日替わりのダブルキャストで集結。従来の「重い」「暗い」カルメン像を払拭し、より人間的な迫真性をもたらすのは、ウィーン国立歌劇場等で数々の名舞台を経験してきたステラ・グリゴリアンと、次々と新境地を開き、いま最も輝いているメゾ・ソプラノ林美智子。対するドン・ホセは、ヨーロッパ中の著名歌劇場で持ち役としてきたルカ・ロンバルドに、日本人離れした輝かしい美声を誇る佐野成宏が競演。エスカミーリョのジャン=フランソワ・ラポワントと成田博之、ミカエラの木下美穂子と安藤赴美子など、錚々たる顔ぶれがそろいます。
演出のジャン=ルイ・マルティノーティは、膨大な資料と考証を元に伝統的なスタイルで緻密な舞台を構成する名匠。一方、現代オペラ演出の旗手らの片腕を務めてきたハンス・シャヴェルノホは、大胆かつヴィヴィッドに舞台空間を創り上げることで知られています。映画を中心に華麗な衣裳デザインを手がけるシルヴィ・ド・セゴンザック、数々の斬新な照明プロジェクトを手がけ今最も注目されるファブリス・ケブールと、舞台芸術の粋を結集したワールドワイドなプロダクションが実現します。
▲第1幕 煙草工場 | ▲第2幕 リーリャス・パスティアの居酒屋 |
今回、質の高い舞台の創造とこれまでの常識を覆す観客動員で、全国の注目を集めつつある“佐渡裕プロデュースオペラ”が、さらにスケールアップ! 先鋭的演出家の起用等によって日本オペラ界をリードしている国内最大のオペラ団体“東京二期会”、名古屋を拠点に高水準の自主制作オペラを発信してきた愛知県文化振興事業団、そして佐渡裕のもと、「蝶々夫人」(8公演、再演7公演)「魔笛」(8公演)「メリー・ウィドウ」(12公演)と05年のオープン以来、めざましい成果を挙げる兵庫県立芸術文化センターの三者による強力タイアップで、兵庫・東京・愛知を結ぶ、全国公演に展開します。国内制作オペラとして、かつてない規模で臨む、夢のビッグ・プロジェクト。五感を揺るがす感動がここに。その真価をぜひその目で確かめてください!
京都市立芸術大学を卒業後、故レナード・バーンスタイン、小澤征爾らに師事。89年、新進指揮者の登竜門として権威あるブザンソン指揮者コンクールで優勝。現在、パリ管弦楽団、スイス・ロマンド管弦楽団、ベルリン・ドイツ交響楽団、イタリア国立放送交響楽団等、世界各地の一流オーケストラへの客演を重ねている。02年より兵庫県立芸術文化センター芸術監督に就任。08年4月より「題名のない音楽会」(テレビ朝日系列)の司会を務める。
20世紀最大の演出家の一人であるジャン=ピエール・ポネルの助手として頭角を現し、1975年より自らも演出を手がける。1986年から89年までパリ・オペラ座総裁を務める。作品そのものの魅力に真摯に向き合い、緻密な時代考証に裏づけされた説得力のある演出が高く評価され、前衛的で奇抜な演出がもてはやされる風潮の中、改めてその存在が重要視されている。パリを拠点にシャンゼリゼ劇場、マルセイユ歌劇場、グラーツ歌劇場の他、フランス、ドイツを中心に活躍している。